STAP検証中間報告
笹井氏の自殺後、メディアが追求を控えているのでしばらく話題がない。しかし、以前公表した通り8月末までに中間報告を出すのであれば、そろそろ報告書をまとめ始めている時期だ。
何もリークされてこない点から、再現がうまく行っていないのではないかと思わせる状況が続いている。
おりしも今日(2014/08/21)、ベル研で発生した高温超伝導研究の不正レポート事件をNHKBS3で紹介していた。この番組内で紹介された研究担当者とその指導に当たる上司との関係が、小保方氏とその指導役である笹井氏の関係にきわめて似通っていた。指導役が担当者に論旨を明確にする為のデータを要求してレポートを仕上げるが、提出された追加データーがどのようにして得られたものであるかは吟味しない。この点が上司の関わり方としてそっくりなのだ。
伝統的な研究者性善説に従えばそうならざるを得ないのだが、研究費が巨額になり短期間にその成果を求める時代がそれを許さなくなってきたようだ。今回のようなトラブルを防止するためには、研究をとりまとめるコーディネータに、不正など出来るかというプライド(矜恃)と身内の虚偽を見分ける能力が必要なのだ。
追記(2014/08/23);
上記のベル研の超伝導虚偽報告事件とSTAP疑惑には似ている点がさらにいくつかある。
まず、両方の中心人物がともに優秀なポスドク大学院生として研究所に推薦されて採用されている点だ。どちらも、指導教官からは実験技術が優れた実験研究者と思われていたようだ。
また両研究所とも、運営上研究予算獲得の為に目覚ましい成果を必要としていた点でも共通している。その時期に鳴り物入りで入所した若手研究者に、短期間で宣伝効果がある成果を出さなければならないという大きなプレッシャーがかかったとしても不思議では無い。
また論文を、その都度実験をして得られたデータに基づいて書くのではなく。書こうとするテーマに合わせたデーターを、過去の記録から引っ張り出して加工して用いたという点も二人に共通している。さらに、それを不正行為と認識していなかったように見える点でも共通している。二人とも、どこかで「Fact」と「Fict」の区別が付かなくなってしまったのかもしれない。
8月末(2014/08/29)(30,31は週末に当たる)までに中間報告を出すとすると、残る時間はあと6日。理研上層部の稟議と検証委員会の確認を得るとすれば、26日中にはできあがっていなければならないのだが・・・・。
追記(2014/08/25);
本日19時現在、理研の各Webサイトには中間報告の予告は出ていない。
主なサイトへのリンク;
理化学研究所(全体)
理化学研究所 神戸事業所
理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター STAPまとめサイト
追記(2014/08/26);
理研のWebサイトではアナウンスがないが、夕方のNHKのニュースで明日(2014/08/27)の午後に東京の本部で中間報告と研究不正対策の発表を行うと報じられている。
追記(2014/08/27);
「発生・再生科学区総合研究センター」の改編案に較べてニュースの扱いが異常に小さいのが奇妙だが、一応中間報告が公表された。内容を一口で言えば再現できなかったと言うことだが、理研が今日公表した資料へのリンクを下記に示す。(入り口は上記の理化学研究所(全体)のトップページにある)
「STAP現象の検証の中間報告」(PDF資料2ページ)
「STAP現象の検証の中間報告(スライド資料)」(PDF資料16ページ)
遅版のTVニュースで会見の様子を見ることが出来ましたが、検証チームはすっかり意気消沈している様子。あとは小保方氏に自分でやってもらいますと言いたげな印象を受けました。事実上の敗北宣言でしょうか。
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