STAP論文取り下げ
次々と疑問が出されて収拾が付かなくなったSTAP論文が取り下げられることになったと報じられている。取り下げに反対していた米国の医師も取り下げに同意するという。
取り下げの意向表明は弁護士団に相談無く行われたとのことで、何とか取り繕う努力をしてきた弁護士団ははしごを外された形だ。面子を潰された弁護士団が今後どう動くのか、穏便に蓋ができるのか、今後の展開が決めにくいことだろう。いずれにしても、報酬が高そうな有名弁護士を動員したが収拾に失敗した形になる。
論文の取り下げで、学術的にはSTAP論文が不適切だったことを認めたことになる。またこれによって、今後第3者による検証実験の実施が期待しにくくなる。分化細胞をリセットするとされたSTAP現象の方がリセットされて振り出しに戻ったとも言っても良いだろう。
ただ、ウイルスを使って遺伝子操作を行う手法では外界から隔離された生物実験室が必要なため、再生医療の低コスト化がしにくい。STAP同様に一般実験室で実施できる方法が早く実用化される事を望みたい。
追記(2014/06/04);
分裂する細胞が分化細胞になるのを妨害する酵素を用いれば良いのだろと思うが、iPS法で用いる遺伝子が作るタンパク質(酵素)を遺伝子操作によってバイオ合成し、それをリボゾーム化して細胞培養液に添加するような事ではどうだろうか?
追記(2014/06/05);
今日の報道によると、取り下げはネイチャー出版側から「自発的に取り下げないなら強制取り下げ処分にする」との最後通告を受けてのことらしい。強制取り下げされると、事実上研究者の社会からは追放される。これを避けるために受け入れざるを得なかったと言うことだろう。
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