STAP論文再調査却下
STAP論文の再調査申請が却下された。小保方氏側の弁護士団は相変わらず筋論などを展開しようとしているようだが、科学界における小保方氏の信任回復にはつながらない的外れな議論だ。
最大の問題は、何度も言うように小保方氏の科学研究者としての信任が回復できるかどうかであり、このためには筋論も法律論も全く役に立たない。理化学研究所の審査すらたいした意味がない。問題の本質は多くの科学者がSTAP現象の実在を認めるかどうかであり、そのために求られめているのは再現実験によって検証可能な新しい事実で論文を補強することだ。そして小保方氏が実験記録など有力な証拠を提出しない現状では、誰か第三者がSTAP現象を再現する以外には小保方氏の信任を回復できる現実的な方法はない。
しかし、日本国内の共同研究者が手を引き、アメリカ側の共同研究者からも新しい実験成果が出てこない現状では弁護士団がいくら法律論でがんばっても科学者を納得させることは難しい。小保方氏には資金があるようなので、いっそのこと再現実験に挑戦する研究者を募って研究費を提供する方がよい。資金が不足であれば、メディア人気を利用して募金で集める手もある。
繰り返すが、問題点は小保方氏が科学研究者としての信任を回復できるかどうかだ。そのためには小保方氏がいくら悲しいと泣いて芸能スポーツメディアの同情を得ても何の役にも立たない。弁護士の法律論も、小保方氏の科学者としての信任を回復するには全く役に立たない。弁護士団はそのことをはっきりと認識しておかなければならない。タレントの損害賠償訴訟や刑事事件の冤罪再審請求では無いのだから、法律家を納得させても意味がない。弁護士団がなすべき事は、世界中の科学者を如何にして納得させるのかを考えることだ。そのためには科学技術研究に不可欠の論法と物証が必要だが、弁護団がそれを構築するのに役立つことをしている様に見えないのが残念だ。
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