安倍政権は年が越せるか?
まだ一年の折り返し点にさしかかるところだが、安倍政権が年を越せるかどうか疑問に感じるような要素が出始めている。それは、安倍氏が力を入れている政策に次々と行き詰まりが見え始めていることだ。
閣議決定だけで実質的な憲法改正を行うなど与党独裁志向が強い安倍政権だが、これに公明党が疑問を呈して次第に抵抗を強めている。さらに、当初は成果があるように見えた経済政策にも停滞が見え始めていることだ。特に、円安効果はネガティブな面が目立ち、輸出企業の海外生産拡大で輸出拡大も実現できていない。大手企業の協力で政府主導賃上げが一部で実現できているが、中小企業や農林水産業にはまだ所得増加を実現するだけの体力がない。
原料やエネルギーのコストが上昇する中で中小企業なのに賃上げを強要すれば、生産の海外移転がさらに進みかねないし、海外移転ができない企業の中には国内事業の縮小や廃業を行うところも出るだろう。それを防止するために、中小企業に対する税制支援が必要だが、今のところ大手企業に有利な企業減税しか打ち出せていない。このままで行けば秋頃には景気が失速する可能性もある。
そんな政策の行き詰まりが重なると、安倍氏のパニック障害が再発して再び政権投げだしにもなりかねない。ここは、中小企業と中低所得者に対する支援が是非とも必要だ。また、国産品を優先的に購入する機運の醸成も必要だ。憲法よりも、集団自衛権問題よりもこちらが焦眉の急なのだが、はたして安倍氏にそれができるかどうか、来年の日本はそれにかかっている。
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