効率100%の青色有機LED
2014/03/04付けでサイエンスポータルに「効率100%の青色発光に第3世代有機EL材料で成功」という記事が掲載されている。
この記事によると、九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センター の安達千波矢(あだち・ちはや)教授らが、効率100%の青色発光有機EL素子の開発に成功したのだという。この文言のうち「効率100%」という表現に引っかかった。いったい何の効率が100%なのかということだ。
通常どんな変換であれ、エネルギーの変換効率が100%と言う事はあり得ない。そこで元記事の九州大学の2014/2/28付けプレスリリース「高効率青色熱活性化遅延蛍光有機EL素子の開発に成功」に当たってみたところ、流した電流によって生成した励起子(エキシトン)のほぼ100%を発光させる事に成功したと言う意味だった。注入した電力の100%でも、励起子のエネルギーの100%でもなく、生成した励起子のほぼ全数が発光したというのであれば可能性は十分にある。
プレスリリースでも、励起子の生成効率や励起エネルギーに対する発光エネルギーの比なども含めた電力効率はわからないが、励起子の発光率が高まる事はエネルギー効率を高める可能性につながるので好ましい事だ。
有機ELでは常に問題となる寿命の向上が必要との事だが、今後の改良に期待したい。
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