被害予想拡大競争
各種災害の被害予想拡大競争が続いている。
各地の自治体が予想される被害を極力拡大しようとする理由は幾つか考えられる。その一つは災害が実際に起きたときに、被害予想が小さかったので損害が拡大したとの非難や訴訟を避ける事だろう。次には、大被害の予想を示して住民への周知を怠ったと非難されないこと。そして、公表文書の最後に「国の支援が必要」との文言が必ず書かれていることから分かるように、自治体自力では十分な対策が不可能だから生じた被害は不可抗力だと主張するためだ。
しかしこの調子で、各自治体が被害予想の拡大を競っていると「オオカミ少年現象」になってしまうのではないかと私は危惧する。
また、被害予想が一面的に過ぎるのではないかと言う懸念もある。今日(2014/02/06)公表された富士山噴火の被害予想でも、山頂噴火ばかり強調されて宝永噴火のような山腹噴火は殆ど無視されているように見えた。富士山でも過去に山腹噴火は何度も起きているし、山腹噴火がどこで起きるかは予想が難しい。だから本気で噴火による被害を予想し対策を立てようとするのであれば、山腹噴火についても場所や規模の異なる様々なケースについても検討を行っておくべきだと思う。
同じ事は大規模地震や津波にも言える。地震の開始位置が特定できない以上、やはり様々な場合についての検討を行っておくべきだ。開始位置や連鎖地震の広がり方によっては、全体としての被害は軽いが特定の場所に集中して大被害が発生するということもあり得る。とにかく被害予測を拡大しておけば良いと言う事にはならない。
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