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January 06, 2014

トンデモ科学者の疑問;気候変動編

前稿「しらせ接岸」で書いたが、近年南極周辺海域(南極海あるいは南氷洋)では海氷(流氷)が増加しているという。そのためかこの数年、「しらせ」が昭和基地に接岸できなかったり、接近に苦労したりしている。他国の観測船が氷海で動けなくなったりもしている。これは近年海氷が激減して夏期の開水面の急増が報じられている北極海と際立った対照をなしている。

その理由については、北極海と南極海の地形の違いがあげられるだろう。南極大陸の周囲は、極周流と呼ばれる海流が取り囲んでおり周辺海域の海水とは切り離されている。このため、気温上昇によって流入が増加した真水で薄められた海水が南極周辺に止まり、海氷が成長しやすくなっていると考えられる。

これに対し北極海は陸に取り囲まれているが、バレンツ海から塩濃度が高い暖流が流れ込み、ベーリング海峡やグリーンランド周辺から寒流として外海に流れ出して行く。つまり北極海の海水は絶えず入れ替わっている。従って、北極海に流れ込む大河から流れ込んだ真水で薄められた海水が滞留しないので、冬期の海氷の増加にはつながらない。逆に温暖化によって、流れ込む海流や河水の温度が上昇するために夏期の融氷が進む。また、北極海を取り囲む陸の気温が高くなっているので、ここから流れ込む気流の温度上昇も海氷の減少を後押しするだろう。

こうした理由によって、今後も南極海の海氷は増加し、北極海の海氷は減少するだろう。ただ、南極海の海氷増加は、反射率の増加によって周辺海域の気温を低下させ、南極大陸の気温が低下に転ずる可能性もある。

いずれにしても、今後両極の年平均気温の差は大きくなるだろう。これが大気の大循環を変化させ、さらに大きな気候変動を引き起こす可能性がある。気候変動に対する警戒と備えが必要だ。

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