極端化する気候と気象
北米の中部から東部にかけて、この冬何回目か(恐らく3回目)の激しい寒さと風雪に見舞われたと報じられている。ヨーロッパもすでに何度か激しい冬の嵐に襲われているし、日本でも大雪の予報が頻繁に出されている。
この数年の気象に関すして、「夏はより暑く、冬はより寒い」傾向があるように思う。降水量についても「降らない時は極端に少なく、降るときには極端に多く降る」様に感じる。このため、世界各地で猛暑や極寒、そして大干ばつや大洪水が多発している。
国連の調査機関が、これは人工的な温暖化ガス増加の結果だとする予備報告書を昨年出し、3月には正式な報告書をまとめる事になっている。それによれば、温暖化ガスの放出をこのままにすれば、気候や気象はさらに荒れたものになり、海水面の上昇とあわせて、世界中で毎年甚大な被害を出す事になるという。
このような被害の増加を食い止めるためには、温暖化ガス放出とその原因であるエネルギー消費を減少させなければならない。ただこれには多大な抵抗が伴う。先進国に対して生活水準の切り下げを求め、途上国に対しては生活水準の向上を放棄することを求めるることにもなるからだ。これは、先進国体途上国の戦争にすらつながりかねない。
それがいやならどうするのか?再生可能エネルギーで、今後のエネルギー増加を含めて全てをまかなうのは不可能だ。面積あたりのエネルギー生産能力が低いため、全てをまかなうには膨大な土地が必要で、大規模な建設は、それ自体が気候変動を招きかねないからだ。事故を起こしても、世界規模で見れば被害が局地的に止まる原子力利用を、先進国のエネルギー消費量削減とともに考える必要がある。付け加えれば、放射能自体は気候には全く影響しない。
もっとも、エネルギーの大量消費は地球表面でのエネルギーバランスを変えてしまう。だからそれがある限り、気候への影響は不可避なのだが。
追記(2014/01/05);ブラジルには熱波
AFPサイトの2014/01/04付け記事によると、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロには消火用スプリンクラーが誤作動するほどの熱波が襲い、ビーチの観光客などに水につかるなどして暑さを避けるよう勧告が出されたという。
一方、同じAFPの2014/01/05付け記事によると、米国の寒波は5分で凍傷を負いかねないほどの強さだそうだ。
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