防災の日
今日(2013/09/01)は「防災の日」だ。台風の来襲が多いと言われる二百十日であり、90年前関東大震災が起きた日でもある。この日を中心にして防災に関する番組が多いが、今年は特に巨大地震に関する物が多いようだ。
阪神淡路大震災直後と同様に東日本大震災ご間もない今年も、多くの学者から次の大震災が近いとの予測が出されている。中には発生確率付きでいかにも確度が高く見える物もある。
しかし大地震には、予測された場所と帰還には起きず、予測とは異なる場所で異なる時期で発生するという意地悪な性質がある。かつて、過去に60年周期で発生しているから次が迫っているとしきりに言われた関東大震災も言われ初めてすでに40年がたっている。米国のカリフォルニアでも、過去に何度も大地震の予測が出されたが、それに近い場所で地震が起きたためしがない。地震の予測の信頼性はそれほど低いのだ。
信頼性が引く理由としては、地震発生の根本であるひずみエネルギーの蓄積原因についてはある程度解明がなされたのかもしれないが、地震の発生過程については解明がほとんどできていないからだ。なぜならば、地震は全て異なっているので、その違いの全てを織り込んだ詳細な解明は、現在の技術では不可能だからだ。
そして数十万年単位でみると日本列島は常に変化しており、地下の状態も変化している。予測の信頼度を高めるにはそれらの理解も必要だ。
故に地震予測の信頼性は低い。ある場所である期間に大地震が発生すると予測されていても、それ以外の場所で大地震が発生する可能性が高い。従って、予測が出ている場所で災害対策の備蓄を行っても無駄になる可能性は常にある。逆に予測がでていない場所で救援物資が必要になる可能性は高い。
予測を過剰に信頼せず、どこか他の場所で起きる可能性が常にあると言う心構えを持っておくことが必要だろう。
寺田寅彦は「天災は忘れた頃にやってくる」と述べたが、それは「天災は予測しない場所と時にやってくる」という意味でもある。
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