シリアのアリバイ証明
ロシアが、シリア政府が持つ化学兵器を国際管理しようという提案をして、シリア政府がこれに同意し米国も歓迎の意を表明したと報じられている。
シリア政府がどれくらいの化学兵器を保有していたのかは見当がつかない(0から数トンのいずれでもあり得る)が、シリア政府にとっては今後のアリバイになり得るし、米国にとっては国内の反対で実行が難しくなっている軍事攻撃をせずに引き下がる口実になる。他にも日本を含めていくつかの国がロシアの提案に賛同しているので国際管理が実施される可能性はありそうだ。
この提案でただ一つ不都合になるのはシリアの反体制側だ。国際管理後は政府側が化学兵器を使ったという主張ができなくなり、それを口実に多国籍軍を呼び入れることもできなくなる。これは反政府側にとってきわめて不都合な事態だ。だから、国際管理が始まる前により大規模に化学兵器を使用して、政府側が使用したと声高に非難をするかもしれない。しかしそれはもはや効果がないだろう。反政府側が使ったと見え透いているからだ。
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