IT産業の減速
マイクロソフトやインテルに続き、アップルも連続減益になったと報じられている。このところ、IT関係、特にハードウエア関係企業の減速が目立つような気がする。各種コンピューターの普及で、先進国での市場が飽和に近づいたためかもしれない。
また市場が求めるものも、高価格だが高速・高機能なものから、高性能ではないが小型軽量で安価なものへと変化しているように見える。今後パーソナルコンピューターの普及が見込まれる発展途上国でも、需要の中心は高性能だが高価なものよりタブレットのような小型軽量で低価格なものになりそうだ。
その面から考えても、今後は小型軽量で安価なハードウエアの比重が高まることによる収益性の低下が避けられそうもない。高速で高機能なハードウエアを開発して、既存品を陳腐化することで新製品の市場を拡大するという従来のビジネスモデルは時代遅れになりつつあると言うことだ。同じことはマイクロソフトなどのソフトウエア産業についてもいえそうだ。
現在、かつてSFの世界でよく見られたブレスレット型やゴーグル型のような、ウエアラブル端末と言われる小型軽量の情報端末の開発が急速に進められているという。そうなればハードウエアの開発もこれまでとは異なる方向が求められ、より小型でより消費電力が少ない機材の開発を競うことになるだろう。またハードウエアが小型で安価になれば、それにあわせた安価で軽いOSも求められるだろう。
遅れ馳せながら、パーソナルコンピューターの世界でも「重厚長大」から「軽小短薄」へのパラダイムシフトが始まった可能性があるようだ。
« アクセントの混乱 | Main | 臆病者の時代;弱いものいじめの理由 »
Comments