別記事「Canon EOS6D(6) ;マニュアルモード撮影時の注意」に記載した実験を行った際、適正露出になる平均反射率がどれぐらいであるのかを調べてきた。
色彩学会や照明学会に当たってみれば、異なる反射率の正規の標準板が入手できると思うのだが、今回は大雑把なテストと言うことでプリンターで自作することにした。
制作方法は簡単で、x/255のグレーを葉書サイズのプリンターメーカーの純正写真用紙全体に印刷(*)しただけだ。xはそれぞれ、46(反射率Ca.18%)、77(同Ca.30%)、102(同Ca.40%)、128(同Ca.50%)とした。もちろん反射率は目安にすぎず、恐らく±5ポイントほどのずれはあるだろう。
|
 |
使用したグレーのイメージ |
これをカメラの視野一杯に納めて露光ガイドのマーカーが中央になるように絞りを調節し、その値を実際の被写体で適正露光になった絞り値と比較してみた。その結果、植物などの静物ではx=46のものが最も近い結果となった。市販されている標準グレー反射板の反射率が18%であるのはこのためだろう。
最近はホワイトバランスセット用として扱われているようだが、本来は露光調節用標準反射板として作られていたものなので当然と言えば当然だ。自動露出で露光がうまく行かない事が多いのであれば、一般用の標準反射板を購入してマニュアル露出とするのが良いだろう。ニコンからは紙製でA2判のものが、ケンコーからは折りたたみ式のものが売られている。どちらも反対面は白のようで、ケンコーのものはレフ板としても使えると記載されている。他にも色彩専門家用のものがある(サカタインクスなど)がいずれも高価だ。
(*)R,G,Bそれぞれの値をxの値に設定した色で塗りつぶせばよい。ただし、プリンターは各メーカーの純正用紙にあわせて調整されているので、他社製の用紙では色がずれる可能性がある。表面は「半光沢」または「無光沢(マット)」がよいだろう。また、写真用紙は色が落ち着くまで時間がかかるので、印刷後に十分に乾燥してから使う。 |
追記(2013/04/10); 次の2枚は、[46/255]で露出合わせをして撮影した例。 上は被写体が明るい場合の例で、下は暗い場合の例。ともにごくわずかに露出過剰に感じるが、許容範囲内といえるだろう。 |

|

|
Canon EOS6D Tamron SP AF Di 90mm 1:2.8 Macro 1:1 f10, 1/60, ISO400 撮影モード;マニュアル シーン設定;ニュートラル |
« Canon EOS6D(6) ;マニュアルモード撮影時の注意 |
Main
| 風力発電塔が倒壊する理由 »
Listed below are links to weblogs that reference 簡易露光標準板:
« Canon EOS6D(6) ;マニュアルモード撮影時の注意 |
Main
| 風力発電塔が倒壊する理由 »
Comments