国家財政破綻は誰の責任か?
世界信用不安の原因はギリシャなどの国家税制危機だとされている。私はそればかりではなく、多発するバブルとその崩壊に対する漠然とした不安も影響していると考えている。
それはさておき、財政危機に直面した国では「政府にだまされた」と非難する声が強いと報道するメディアが少なくない。しかし、それは国民の身勝手な言い分だ。
なぜならば、民主主義体制においては政治の最高責任あるいは最終責任は有権者にあるからだ。政党や職業的代議員候補者は、次の選挙の得票を狙って耳に快い公約を競って並べたてる。その中には実現不可能なものや、始めから実行するつもりのないものが多数含まれる。そしてメディアがそれを無責任に品定めする。それに魅せられて投票する有権者が無責任な政府を作るのだ。
民主主義は有権者が賢明であることを前提としている。有権者が十分に懸命でない場合には民主主義政体は上手く動かない。
つまり民主主義政体においては、政治の水準はその国の有権者以上にはならない。政府がダメなのはその国の有権者がダメだからなのだ。
これは自由市場主義が買い手(消費者)げ賢明であることを前提にしているのとよく似ている。買い手が賢明でなければ自由市場経済は上手く動かず、弊害のみが目立つのと同じだ。
有権者が愚かであれば、民主主義政体は弊害ばかりが目立ちついには政治が崩壊する。その結果として独裁政治を招くこともある。歴史上悪名が高い独裁政権のどれも、最初は有権者の熱狂的支持を受けて成立したことを忘れてはいけない。
民主主義政体においては、全ての責任は最終的には有権者にあるのだ。
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