政局は総選挙時期に
消費税増税法案が衆議院を通過して、政局の中心は秋にも予想される総選挙対策に移った。
多くの現職議員にとって、議員定数の削減が盛り込まれている議員定数改正案は好ましくない。そこで当面の目標は、改正案の審議を遅らせて現行法下での選挙に持ち込むことだ。その為の工作があれこれと表面化し始めている。
想定される戦法の第一は、増税法案の参院通過を早め、その後内閣不信任案を提出することだ。民主党造反派が賛成すれば不信任が成立する可能性があり、その後直ちに解散総選挙になる事を期待するわけだ。改正選挙法の審議が進まないうちに解散になれば、故意に審議を遅らせたという非難を受けずに済む。
しかしこれは少しでも選挙を遅らせたい造反派が同調しない可能性がある。そこで造反派の動き、具体的には離党の有無や解散容認の可能性を探ろうとするだろう。ただ、選挙資金や集票組織を持たない小沢チルドレン主体の造反派は簡単には離党しないと予想できる。その結果、党内に留まりたい造反派の多くが内閣不信任案に同調しない可能性がある。
従って野党は、造反派が離党せざるを得なくなるような状況を作る為の攻撃を強めると思われる。党内に留まればあれこれ理屈をつけて同調しない可能性があるが、離党すれば不信任案に同調しやすくなると期待するからだ。
と言うわけで、早く現行法下での総選挙に持ち込みたい野党と、少しでも総選挙を遅らせて党内での地位回復を図りたい民主党造反派、そして小沢派追い出しの為には場合によっては早期解散もやむを得ずと腹を括っていると思われる民主党主流派の三つどもえのせめぎ合いが続くだろう。
補足;
定数改正案については、野党は改正案の審議を故意に遅らせたとの非難を避ける為、あれこれ理屈をつけて衆議院での審議の全てを遅らせ、改正案審議の後れが目立たないようにするだろう。これに対して内閣側は定数減は好ましくないと思いつつも、内閣の実績作りの為に成立を図ろうとするだろう。造反派は当然審議の後れを望むはずだ。
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