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May 14, 2012

太陽の写真

金環食(蝕)関連商品の話題が多い。写真撮影用の減光フィルターも既に在庫が払底しているようだ。

だからというわけではないが、減光に役立ちそうな代用品を集めて太陽を撮影してみた。

1.太陽観察用眼鏡

太陽観察用眼鏡による画像

SX 30IS 用の偏光フィルターを購入した際に付録として付いてきた、太陽観察用眼鏡をレンズにあてがってモノクロモードで撮影した。光量が少ないため自動では撮影できず、フォーカス、露出とも手動で設定した。
観察用眼鏡の開口部が小さい(2cm×3cmほど)ので、レンズ(口径5.2cm)の大部分がふさがれた状態。それもあってか、肉眼で見る分には問題がないが、写真用としては先鋭度がかなり低下するようで、かろうじて使えるかどうかと言うところ。また、長い望遠レンズでは三脚が必須。

目視では太陽の右側に大きな黒点が見えるが、写真ではぼやけてよく分からない。

2.電気溶接用遮光板

電気溶接用遮光板による画像

遮光板として最も安価に手に入る電気溶接用遮光板(消耗品なのでJIS規格で量産されており安価。多くのホームセンターで、50×100mmの標準サイズの物が200~500円/枚で買える)のうち、最も一般的(色が濃い)な#11をレンズにあてがってカラーモードで撮影してみた。電気溶接用遮光板は、アーク(電弧)から発生する目に有害な紫外線と近赤外線を効率良く吸収し、作業に必要な可視光をわずかに透過させる設計のため濃緑色をしている。フォーカスと露出は上と同じく手動で設定した。
これも目視ではきれいに見えるが、写真では画像の先鋭度はかなり悪くなる。ただしこれはプラスティック製の射出成形品(内部に微細な光学的むらが残りやすい)なので、ガラス製のものはもっと程度がよいのかもしれない。

3.赤外線写真用フィルター

赤外線写真用フィルターによる画像

赤外線写真用フィルターを太陽に向けてみたもの。フィルターとレンズの間、およびレンズ内で発生した内部反射が原因と思われるハレーションがひどい。モノクロモードで撮影。
減光度が不足していることもハレーションの原因かもしれない。

この他に思いつくものとしては、ガラス窓用の遮光フィルムがある。これも、遮光率75%のものを6枚重ねれば透過率0.1%以下になるが、フイルムの均一度が光学用フィルターに較べると相当に悪いと思われるので、画像の質は期待できない。

現時点での結論は、電気溶接用遮光板や窓用遮光フィルムなどは素材の均一度が悪いので、写真撮影には不向きと言うことのようだ。鮮明な写真を得るためにはやはり写真用減光フィルターが必要らしい。

追記(2012/05/16);買い忘れていた角形フィルター用ホルダーが届いたので、使い方の練習に太陽を撮影してみた。

4.写真用減光フィルター

カメラ設定 フルマニュアル
ISO 80
f=8.0 1/3200(*)
焦点距離 840mm相当から
トリミングした画像
フルカラーモード
ケンコー製 ND10000 100×100mm を使用

(*)カメラのモニター上の表示
画像ファイルに書き込まれた記録では、
F=5.0 1/1600になっている

いくつかの大黒点が識別できるが、減光度が1/10,000のNDフィルターでは、露出を限度まで絞ってもまだ若干露出過剰気味。さらにNDフィルターを重ね掛けするか、カメラの露出調節機能が利用できるならばそれを利用して露出を下げると良いかもしれない。ただし、このカメラ設定のままND4フィルターを追加すると、光量不足でモニター上では太陽が全く見えなくなった。感度や絞りの調整が必要なようだ。
また、これは正午頃の太陽なので、まだ日差しが弱い金環食の時刻(07:20頃)にはこれでちょうど良いかもしれない。

自動露光では背景が暗いため太陽の本体が露出過剰になり、白飛びしたりにじみがでたりするので手動の露光設定が必須。

これは上と同じカメラ設定で、前記の電気溶接用遮光板を用いて撮影したもの(ただし、撮影時刻は16:00頃)。黒点がぼやけて、画像の先鋭度が劣ることが分かる。

天気予報が「曇り時々晴れ」と芳しくないが、金環食当日の天候が少しでもよいことを祈ろう。

追記(2012/05/20);天気予報がだんだん悪くなって、本番は見られない可能性が高くなった。北へ行けばましな予報だが、金環蝕が見られる地域は皆曇りとのこと。幸運を願うしかなさそうだ。

追記(2012/05/21);天候の回復が早まって、金環蝕の全過程を見ることができた。薄雲がかかり続けたので先鋭度が悪くはなったが、一応撮影もできた。

その写真はこちら(「日食の写真」)

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