今度はウラン化合物発見
東京の世田谷区で置き忘れられたラジウム化合物による騒ぎがあったばかりだが、今度は奈良県の浄水場でウラン化合物が見つかったと言う。
見つかった化合物は「酢酸ウラニル[(CH3CO2)2UO2・2H2O]」と言う分析試薬で、ナトリウム(Na)イオンの分析に使用するものだ。通常は劣化ウラン(核燃料に使う放射性のウランを抽出した残り)を原料にするので天然ウランより放射性が低いが、それでも放射線は発する。
今では、イオンクロマトグラフィーなどの分析機器が発達して安価に使えるようになったので、酢酸ウラニルを使う沈殿分析はほとんど行われなくなったが、昔は他によい手段が無かったのでしばしば利用された。私も大学の実習実験で使ったことがある。
前の記事でも書いたが、放射性元素や放射線源は様々な分野で使用されている。今後もこのように置き忘れられたものや不法に廃棄されたものの発見が続くだろう。
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