大震災は小鳩連合への神風か?
震災後の菅首相の指揮ぶりが問題だとして、小鳩連合が菅おろしに動いている。中には、野党に不信任案を出させて退陣に追い込もうと言う者もいるようだ。
それは、震災報道が小沢氏の政治資金疑惑関係の裁判の報道を目立たなくしてくれるというもくろみによるものだろう。しかし、トップクラスのメディアの報道ぶりでは、必ずしも小鳩連合が期待する神風にはなっていないようだ。
小鳩連合の思惑がうまくいくかは野党しだいで先行きの見極めは難しい。しかし野党はむしろ、現時点での政権獲得は避けたいのではないだろうか。なぜならば、被災地の救援に一区切りがつき、復興が軌道に乗り始めたところで政権交代を行う方が原野党には都合がよいからだ。その理由は単純だ。復興が軌道に乗らないうちに引き継げば、今の菅政権のように何かにつけ非難を受けることになる。それに対して、復興が軌道に乗り始めてからならば成果を独り占めできるからだ。
そのようなことも考えると、小鳩連合の思惑通りに行くかどうかは疑わしい。また、菅氏が、それならばと総選挙で挙国一致内閣を作り、それに復興をゆだねようとする可能性がある。現時点で選挙になれば民主党の惨敗は不可避だ。そうなれば小鳩連合の多くは落選するだろう。党の実権を握った後、解党して党資金を持ち逃げした前歴がある小沢氏が、またそれを狙っていても不思議はない。しかし、小沢氏の選挙技術で再選をともくろむ陣笠議員たちには悲惨な結果になるのは歴然としている。
そもそも前回の総選挙の大勝は、「自民党でなければどこでも良い」とメディアが煽った結果で、小沢氏の功績ではない。小鳩連合の諸氏はそこを勘違いしている。
次の総選挙では恐らく「既存政党でなければどこでも良い」とメディアが煽るだろう。その結果は民主の大敗、自民のその他の既存政党の伸び悩みになるだろう。地方選挙で地域政党が伸びているのも、「既存政党でなければどこでも良い」の現れだ。
その結果、次の総選挙後は小党乱立で物事がまともに決まらなくなる恐れがある。有権者そのことを念頭に置いて、率直な話し合いで物事を迅速に決められる政党を投票先として選ぶべきだ。しかし、またまたメディアに煽られて「どこでも良い」と投票する無思慮な有権者が大勢を占めるのだろう。
日本政治の後進国化はますます進みそうだ。
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