不可避になった原子炉崩壊(2)
「不可避になった原子炉崩壊」の続き
追記(2011/03/21 10:45);
まだ一進一退状態が続いていて、どうにか格納容器崩壊という最悪の事態にはならずにいるようだ。
しかし福島第一発電所の原子炉の再稼働は技術的に困難だろう。そうなれば、関東地方に他地域からの転送量が増え、長期間電力不足が全国的に波及することになる。もっとも、転送するために必要な周波数変換施設の容量が小さいため、これが拡大されるまでは関東地方限定となる。そして転送容量拡大には数年かかるだろうし、新規発電所の建設には10年以上かかるだろう。それまでは、電力消費量の大きい施設は他地域の施設への操業振り替えが必要になる。これに伴って従業員の移動も起きるだろう。
また、温暖化防止の観点から火力発電所の新規建設は困難になる可能性がある。この点も考慮しなければならない。当分は原子力発電所の建設は難しいし、津波対策の改修のための操業停止も必要になるだろう。
つまり、電力不足が恒久化する可能性が高い。結局は生産用および公共用の電力を確保するために、各家庭での電力消費を抑えなくてはならないのだろう。これまでの何でも電気で省力化という生活習慣を変えることが迫られる。
追記(2011/03/29);
原子炉のトラブルは一進一退のようだ。改善された部分もあるし、悪化しているように見える部分もある。しかし、現場で放射線障害の危険を冒して奮闘しているにとたちのことを考えると、早く出口が見えてほしいと思う。
また、この問題が解決しなければ被災者への支援と復興に本格的に取りかかれないという面もある。関係者の無事と早期の終息を祈る。
それはそれとして、原子炉周辺で作業している人たちの装備が軽いように思うのだがどうだろう。冷戦時代にはありふれた装備だった核戦争用の防護服は、もう米軍にも残っていないのだろうか。潜水服のような防護服の写真を見た記憶があるのだが。
追記(2011/04/06);
ここ数日、原子炉の温度が話題にならなくなった。冷却問題に目処がつき始めているのだろうか。温度上昇が止まれば、放射性物質漏洩の対策にも腰を据えてとりかかることができる。
そうであることを期待しよう。
追記(2011/04/08);
強い余震が続いているのでそのたびに作業が中断されているようだ。とはいうものの、炉心温度は落ち着きつつあるようだし、高濃度放射性物質の流出が止められれば、本格的に事後処理にかかれるだろう。
今後は、炉心に残っている燃料棒を抜き取って冷やすための施設を作り、燃料棒をそこに移し、炉心は重コンクリートで埋めることになるだろう。しかし、それにはまだまだ時間が必要だ。また、埋める前に今後の事故対策に役立てるための詳細な調査も必要だ。
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