敗戦の日
今日(8月15日)は太平洋戦争で無条件降伏を受け入れた敗戦記念日だ。日本人の多くは、「敗戦と言う事実」を認めたくないので相変わらず「終戦」という言葉でごまかしている。しかし当時の国家指導者たちが勝算が無いまま戦争を始め、そして敗北したという事実は変わらない。
勝算が無いというのはあるいは間違いかもしれない。むしろ、負けることはないと言う甘い期待を抱いたまま戦争を始めたと言うべきだろう。この精神構造は今も引き継がれ、不都合な可能性は無視すると言う行動が世の中に蔓延している。これは「敗戦」を「終戦」と言い換えて現実を無視しようとする精神構造と同じところに根ざしているのだろう。
「敗戦」は「敗戦」として直視し、日本を敗戦に導いたご都合主義と、それを民衆も支持したと言う点を素直に反省すべきだ。
明治以後、民衆にとって戦争とは外国に勇ましく攻めて行って勝って帰ってくるものだった。徳川政権の成立後、国内で大規模な戦争がなかったため、日本人は戦場の悲惨さ、戦闘に巻き込まれた民間人がいかに悲惨な目に遭うのかと言うことには全く無知だった。それがあの敗戦の原因の一つと言っても良いかもしれない。
「孫子の兵法」に言うとおり、勝てない戦争をしなければ負けることはない。しかし、勝てる戦争でも、戦場となった場所では多くの兵士と民間人が傷つき死ぬのだと言うことを忘れてはいけない。
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