透水性舗装の冷却効果
私が住んでいる神戸市市街地の歩道には、透水性舗装がされた場所があちこちにある。そんな歩道を歩きながらふと思ったのだが、透水性舗装の表面温度は非透水性舗装の表面温度より低いのではないだろうか。
透水性舗装は雨水を浸透して下の地面に吸収させることで、降雨時に下水に流れ込む水が急増しないように考えられたものだ。これは逆に言えば、表面が乾燥した状態では地面から水が浸透してくると言うことでもある。従って、この水分が気化熱を奪うことで、舗装を冷却している可能性がある。
赤外線式表面温度計があれば簡単に確認できることなので、ネット上に温度の実測値があるかどうか探してみよう。
追記(2010/08/05);
ざっと調べてみた限りでは、残念ながら一般的な透水性舗装には冷却効果が無いという情報が多い。ただし、保水性を持たせた透水性舗装に冷却効果があるという特許がいくつか出願されている。
冷却効果が無いというのは、舗装の下の地面から十分な水が供給されないことが原因のようで、舗装内部に給水パイプを設置して供給するという例もあるようだ。このことから考えると、湧水が豊富な地域ではそれを利用して冷却できそうだ。さらに、非透水性舗装を全廃して地面の含水量を高めるとどうなるのかといった点にも興味がわいてきた。
それとは別に、別項で書いた散水車の効果も透水性舗装で高まる可能性がある。散水の効果が持続しないのは、撒かれた水の大部分が下水口に流れてしまうためと考えられる。透水性舗装であれば、水の一部が地面に浸透して蓄えられる。そのため冷却効果の持続が期待できる。
追記(2010/08/06);
冷却効果の鍵が舗装材が含む水分であるとすれば、舗装材の下に保水性が高い材料を使う手もありそうだ。吸水性ポリマーの様な水の吸収・放出に伴って寸法変化があるものではまずいが、鹿沼土の様な多孔質で、ある程度の強度がある材料であれば利用できる可能性がある。
歩道の工事をしているところを見たことがあるが、透水性ブロックの下は砂を敷き詰めた状態になっていた。この砂に上記の様な保水材を混ぜて使えば良いと思う。保水材の強度が高ければ、車道の舗装下地にも使えるだろう。保水材はまた、舗装下の地面に流れ込む水の急増を緩和し、下地強度が低下する効果も期待できる可能性がある。さらに、保水層の厚みを大きくすれば、一時的貯水槽として利用できる可能性もある。
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