ロシア流交渉術
ロシア人の交渉は常に足して二で割るやり方だ。彼らはこの方法で双方の当事者の顔が立つと考える。それはフィンランドや中国との領土交渉でロシアがどう決着をつけたかを見れば明らかだ。また、ロシア以外の多くの国の外交交渉でも同様のやり方が行われる。
それに対し日本は、最初に控えめに要求を出して全部とろうとする。その結果多くの外交交渉で膠着状態になってしまう。外交交渉でこれはきわめてまずいやり方だ。
ロシア流に、はじめから双方の顔が立つ落としどころを想定して要求を出しておけば良いのだ。北方4島を取り返したければ南千島全体を返せと要求する。そして交渉によって4島で手を打った形にすれば、両国の政府は相手に譲らせたのだからと自国民に説明がしやすい。
もっとも、日本人の中には少しでも譲歩すると弱腰だと騒ぎ立てる者たちも多い。また、事前に交渉方針や目指す妥協点を公表しておかなければ密室交渉だとマスメディアが騒ぐ。そんなやり方が外交交渉でいかに国益を損なうか。日本人以外はよく心得ているのだが・・・。第二次大戦前のマスメディア報道を見れば、こんな日本人の性癖もまた大戦突入を余儀なくされた原因の一つだとわかるはずだ。
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