蓮舫氏変節?
「2位では駄目なのか」で話題を呼んだ蓮舫氏が意見を変えたらしい(記事)。
「1位を目指すのは当然」とのことだが、スーパーコンピューター計画が目指していたのは「1位になること」ではない。目指していたのは今後の基礎科学や先端科学の計算で「必要な能力を持つ」コンピューターを建設することであって、それが「結果として1位になる」と言うことだ。「1位を目指すことと」「結果として1位になる能力を目指す」とでは全く意味が違う。
米国防総省はソニーのPS3を4,000台連結して安価な小型スーパーコンピューターとして使っているらしい(関連記事)。手軽に使えるスーパーコンピューターとしてはそれで間に合う場合もあるのだろう。しかし大規模なシミュレーション計算にはとても間に合わない。信号伝送速度の限界から、連結して使える台数には限度があるからだ。そのためにはより高速大容量の新規CPUが必要だ。巨大容量のスーパーコンピューターの開発に多額の資金が必要な理由はこれだ。
現状では、日本最大のスーパーコンピューター「地球シミュレーター」でも、さらに計算精度を上げるには能力が足りなくなっている。と言うより、スパーコンピュータを使わなければならない研究が増加し続けているため、いくら能力を上げても足りないと言う方が正しい。現有のスーパーコンピューターにかけるための順番待ちをしている課題も多いと聞く。日本のスーパーコンピュータ計画はそんな現状を打破するためのものだ。
一方で、順番待ち時間を減らすため、PS3のCPU(あるいはIBM製の高性能版)を使って、安価な小型スーパーコンピューターを量産すると言う事も考える価値はあるだろう。PS3用CPUはIBM製の4分の1しか能力がないが、量産されているだけにとにかく価格が安い。うまく利用すれば、超大型スーパーコンピューターに掛けたい課題の予備計算(パラメーターの絞り込み等)や計算モデルの妥当性評価に活用できるだろう。
蓮舫氏が、人気取りのための官僚いじめパフォーマンスから卒業したのであればよいが、単に「はやぶさ」人気に便乗しようとするのであればこまったものだ。取り巻きさん達も、親分をサポートできるようにしっかりと勉強して欲しい。
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