今の不況はKY不況
J-Castニュースに面白い記事が出ていた。それは和田秀樹氏という精神科医による、「若者はなぜものを買わないのか」と言うことに関する見解だ。
要点を一言で言えば、「若者がものを買わないのはKYになることを恐れるからだ」と言うことになる。全面的には賛成できないが、同じ傾向はあらゆる分野においてはっきりと見られる。メディアが「みんながこうだ」あるいは「これが多数派だ」とかき立てると、一斉にその方向に走り出すのだ。
これは選挙でも見られる。郵政民営化選挙でも、昨年の政権交代選挙でなどはその典型だ。郵政民営化を皆が支持しているとメディアが書き立てると、自民党の民営化支持派に有権者の多くが殺到し、政権交代が多数派だとかき立てると民主党に殺到した。そこに主体的な判断はなく、ただ多数派に属していたいという欲求だけが感じられる。
経済活動についても同じだ。メディアが価格破壊をはやし立てると、世の中こぞって海外生産された低価格品へと走る。この結果、購入者が支払った費用の多くが国外へ流出した。また、国内産業の需要は急減して労働者の所得は減少した。これがさらに低価格化を促し、輸入増と賃金減少の悪循環に陥っている。
その原因の一つが、低価格品輸入販売の大手業者をメディアが賞賛し、消費者が支持しているとかき立てたことにある。KYを恐れる者たちがそれを見て、自分も買わなければ少数派になると考えた事が、ますますその手の業者の売り上げを伸ばす結果になった。
つまり現在の不況や失業増は、メディアとKYを恐れる若者達の共同作業による成果というわけだ。まさにKYが生んだ不況と言ってもいいだろう。
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