凧がなくなった元日の空
例によって散歩に出かけたが、いつも通る市民に開放されているサブグラウンドで少々寂しい思いをした。それは絶好の風が吹いているにもかかわらず、凧揚げをする子供が一人もいなかったことだ。
冬場に風が強い東京郊外で育ったせいもあって、私が子供のころは冬の遊びと言えば凧揚げが一番だった。近くの畑の小道では何人もの子供が腕を競っていたものだ。私は小学生のころにはとんび凧を主に揚げていたが、たまに中学生や高校生が揚げている六角凧を持たせてもらうと引きずられてしまうほどの風が吹いていた。紙ではすぐちぎれてしまうので、麻紐を尾にしていた記憶がある。
そんな私の世代は既に孫がいる年代になり、今の父親世代はファミコン世代だ。彼ら自身が凧揚げをあまりしなかったので、子供に凧揚げの腕を見せて自慢することもないのだろう。多少はゲイラカイトで遊んだことはあるかもしれないが、伝統的な和凧をどうやって揚げればいいのかはほとんど知らないのかもしれない。父親向けの凧揚げ教室が必要だ。もっとも市街地に暮らす子供達には、そもそも家の近くには凧揚げをする場所がないだろうとは思う。市街地に凧揚げが可能な公園を作ることから始めなければいけない。
いまや凧も遊ぶ物ではなく、部屋を飾るインテリアや外国人旅行者向けの土産物になってしまったのだろう。残念なことだ。
補足;考えてみれば、子供達が外で遊ばないのも当然だ。屋外で遊ぶ場所が手近にはないのだから。学校の校庭ですら、放課後や休日には自由に遊べないのは情けないと言うべきなのだろう。子供が遊んでいてけがをすれば親が文句を言いに行くので、事故防止を口実に解放しないらしい。私が子供のころは、親が学校に謝りに行ったものなのだが・・・・。
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