大阪モーターショーは国内メーカーも不参加
今年の東京モーターショーに有名外国メーカーが幾つも参加せず、各社が参加した上海モーターショーと比較して日本の経済的地位の低下を象徴すると言われた。ところが、来年の大阪モーターショーには、国内メーカーであるマツダと三菱も参加しないという。これはまさに大阪の経済的地盤沈下を象徴していると言えないだろうか。
東京が東日本の中心で、大阪が西日本の中心であった時代には、大阪でモーターショーを開く意味があったが、大阪経済の衰退で西日本の中心とも言えなくなった現状では、大阪でも開く意味がないと言うことだ。
自動車に限らず、インテックス大阪で開かれる各種の展示会は年々さびれ、規模の縮小を余儀なくされている。東京と交互開催であったのが東京のみになった物もいくつか(も?)ある。これも大阪経済の衰退を反映している。
再々言われる関空の振興も、まずこの大阪経済の立て直しに取り組まなければいけない。大阪経済が賑わいを取り戻せば、海外出張も増え、また海外から大阪の企業を訪ねてくるビジネス客も増える。航空旅客の中核はビジネス客であり、ビジネス客が航空路線の採算を支えているのだ。大阪経済がこのままであれば、国際線・国内線とも旅客数は減少を続け、減便も続くだろう。関空の利用客増には、大阪経済の回復が先決なのだ。
大阪経済の回復には、時間はかかるが東大阪から尼崎にかけて多数ある中小製造業の支援から手をつけるべきだ。中小製造業はそれぞれ独自の技術を持っており、大企業もこれ無しでは品質の良い部品などを調達できなかった。その意味で日本の製造業の土台となっていた。
しかしいま、大手企業の買いたたきや国外への技術持ち出しなどで、経営環境が非常に悪くなっている。このため、経営難と家族の後継者がないことで廃業に追い込まれる企業も多い。また、家族以外の腕の良い技術者などに企業を譲渡しようとしても、低賃金のためそれだけの資力がない。また金融機関もそのための融資をしない。これらによって大阪周辺の中小製造業は壊滅寸前だ。大阪経済の地位回復には、まずここから手をつけるべきだ。
大手企業が先端製品を開発しようとしても、試作部品を作れる中小製造業がなければ円滑にはできない。中小製造業が充実していれば、大阪に出入りするビジネスマンや技術者が増える。そうなれば大阪で起業しようという者も増えるだろう。大手企業の本社を呼び戻そうとしても、今更ほとんど不可能だ。それよりも大阪の企業を育て、起業する者を増やす方が良い。
そのためには、大阪府が中小企業の継承や新規の起業に対する強力な支援を行うべきだ。国ににねだって大規模公共事業をなどと言う、バブル時代の発想を引きずった考えは捨てなければいけない。それは第二の関空を作るだけだ。関空も関西財界が一致して支えるからと国にねだって、やっと建設にこぎ着けたことを忘れてはいけない。そしてその財界が、関空だけではなく大阪そのものを見捨てたこともだ。
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