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September 29, 2009

横審は相撲界の老害集団

また、横審の某委員が朝青龍の品格で騒いでいるようだ。そもそも品格のない連中が横綱の品格を云々するだけでも噴飯ものだが、最近は彼らの素人ぶりも酷くなっている様に思う。

その某委員を始め他のメンバーが力士の練習量、特に朝青龍を稽古不足非難しているが、それにもかかわらず朝青龍が優勝したことが不満に輪をかけているようだ。しかし、既に力士としては若いとは言えない朝青龍に単純に稽古の量=時間を求める事は的外れも甚だしい。

長年横綱を張り、一人横綱として大相撲を支えてきた彼の体には小さな傷が蓄積しているはずだ。その状態でむやみに稽古時間を増やせば、これは土俵に上がれないようなけがに直結する。つまり朝青龍のようなベテラン力士にとっては量よりも、どうやって少ない稽古量で体調と勝負勘を維持するかの方が重要なのだ。若い力士が技術を身につけ、体に覚えさせるための稽古とは違うのだ。

朝青龍以外の力士についても、全体に大型化した今、稽古のあり方を考え直すべきだと思う。理由はけが人の多さだ。特に、勢いを持って上位に上がってきた有望な若い力士が、大関や横綱を目前にしてけがのため勢いを失ってしまうことが多すぎる。これは大型化した力士に適合した稽古のやり方が考えられていないことが原因だろう。そしてまた、これが日本人横綱が出ない理由でもある。

猛稽古と勝負の厳しさで土俵の鬼と言われた初代若乃花や、彼と名勝負を繰り広げた栃錦の時代、力士の多くの体重は100kg前後だった。初代貴乃花などは90kg台だったと記憶する。それに較べて今、力士の平均体重は150kgに近づいている。つまり50%近くも体重が増えているのだ。一方、あるスポーツ医学者によれば、人間の骨格(関節の構造など)から推定すると、安全に動き回れる体重の限界は150kg前後だろうという。つまり現在の力士の体重はその限界まで来ているのだ。

このように体重が増加すると、激しい長時間の稽古で疲労すると不用意な転倒で捻挫や肉離れを起こしやすくなるのは当然だ。つまり、けが人が多いのには、力士の体重増という要因があるのだ。

これに対し、横審はけがが多いのは稽古が少ないからだと不満をならすだけだし、相撲協会も有効な対策を持ち合わせないようだ。だが、ここは稽古量を問題にするよりも、大型化した力士がけがをせずに強くなれるよう、トレーニング方法を改良すべきなのだ。スポーツ医学研究者も多い今、力士がけがをせずに稽古ができるような関節や筋肉の強化方法などを、彼らの力を借りて研究すべきだ。

さもなければ、けがによって勢いを失う有望な力士がますます増え、これが相撲人気の低下に拍車をかけるだろう。品格がない面々が力士の品格をあげつらう横審は最早必要がない。それよりもけがを防ぐ為のトレーニング方法の開発を行う専門委員会を立ち上げるべきだ。

付け加えると、相撲協会は力士を酷使しすぎているように思う。年六場所に加え、その間を埋める巡業ではけがを抱えた力士はけがを治療する時間がない。巡業で実戦経験を積むのは若い力士には必要だろう。しかしけがのある力士の参加を認めるかどうかを、医師(団)が決めるような制度も必要なのではないだろうか。若い力士ほど、時間をかければ完治する可能性も高い。将来有望な力士を下位のうちに失わないためにも、ドクターストップの制度はあるべきだと思う。

小泉氏から賜杯を手渡すことができるようにするためだけの理由で、横綱貴乃花の力士生命を絶ってしまったような愚を、相撲協会は繰り返すべきではない。(いつでも脳天気な小泉氏は、「感激した!」などと馬鹿なことを言っていたが。あれはまた、貴乃花のけがを気遣って、全力で相撲を取れなかった曙にも気の毒だった。)

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