厚労省エリートの逮捕
厚労省のエリート局長が逮捕された。
虚偽の認可書を部下に発行させたとの容疑だが、部下に対してこれは政治案件だと説明したそうだ。政治案件とは、国会議員の口利きがあって拒めないという意味だ。
一般に次官を狙うエリート官僚は国会議員の圧力に弱い。なぜならば次官に昇進するためには国会議員の後押しが必要だからだ。従って、国会議員ににらまれると次官競争で大きなハンディキャップとなる。
違法の疑いがある事を含めて、無理難題を押しつけるのは与党議員が多いが、野党でも大物議員やそのお気に入りは同じような要求をすることがある。今回は民主党議員の名前がささやかれているが、自民も民主も体質に差が無くなり、政権交代が見えている今、官僚に対する口利きはますます激しくなっているだろう。
また、高級官僚の人事権を内閣が握る公務員制度改革によって、国会議員はますます官僚に無理難題を押しつけやすくなる。このような違法行為を要求する政治案件はますます増えるだろう。各党が公務員制度改革に熱心なのも当然だ。
「見張り人を誰が見張るのか?」という古い言葉がある。違法行為をさせないように見張るべき者が、違法行為を要求するのだから見張りの意味をなさない。それが公務員制度改革の実態だ。
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