どちらにしても麻生下ろし?
風車に突進するドン・キホーテを思わせた鳩山(弟)氏が解任されて、西川問題は決着したように見える。しかし、本番はこれからだろう。
今回の問題に対する麻生氏の腰が引けた態度には、小泉改革支持派、反対派の双方が不信感を高めた。小泉改革支持派にとって、郵政民営化の功労者としてきた西川氏の更迭は、郵政民営化の否定につながる恐れがあり、とうてい受け入れられるところではなかった。なぜならば、民営化支持派、特に政治的実績のない小泉チルドレンにとって、郵政民営化に協力したことしかセールスポイントがない。その民営化の暗部が暴かれる恐れがある西川氏更迭は、彼らにとって致命的だからだ。麻生氏は彼らから退陣要求の大合唱を恐れて鳩山氏の更迭に追い込まれたわけだ。
また、西川続投反対派にとっては、不明朗な民営化処理を放置すれば自民党の支持低下に繋がり、次の選挙が戦えないという不安が強かった。このような不安を持つ人たちが、孤立しているように見える鳩山氏を陰で支えた事は間違いない。これが原因で選挙前の総裁交代という要求がやはり高まるだろう。
結局、調整に出るべき時に出なかったために麻生氏は追い詰められ、国民の麻生氏と自民党に対する不信感も高まった。現状では、民主党によほどの大失策がない限り次の選挙で民主党が過半数を占めるだろう。そして西川氏も、来年の株主総会では解任され、優勢資産処分疑惑の解明が始まるだろう。
「三方一両損」は講談の大岡裁きとして有名だが、今回の麻生裁きはどうやら「三方大損」となったようだ。得をしたのはもちろん民主党だ。
(2009/06/13)
追記
本日の3大新聞の報道によれば、やはり麻生内閣と自民党の支持率は激減した。国民の多くが郵政民営化に伴う資産処分に疑惑を持ち始めた今、小泉氏による民営化推進を出せば票を集められると考えるのは間違いだ。小泉人気に頼るしかない小泉チルドレンには気の毒な状況だが、小泉チルドレンはもはや国民にとって用済みだ。そしてまた、小泉氏自身も国民にとってはもはや不要品だ。
(2009/06/15)
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