政治改革で我々が手にした物は、似たもの同士の体面争いでしかない
マスコミがこぞってはやし立ててきた政治改革で、我々はいったい何を手に入れたのだろうか。
何度も繰り返された政党再編で、残ったものは自由民主党と民主党だ。これはマスコミが先進国の民主主義体制として賛美した2大政党制に見える。しかし民主党の実態は自民党もどきで、どちらが狐でどちらが狸かと言うような状態だ。いやむしろ、どちらも多少毛色が違う狐という方が良い。そしてその結果、政策選択の自由度が失われたのではないだろうか。
かつて、自民党と社会党が1.5大政党で対立していた時代、自民党は社会党の主張を取り入れたり先取りしたりしてかなり柔軟に政策立案を行っていた。しかし今、自民党と民主党の双方ともに政策が硬直化し、国民の要求に迅速に応えるという点では明らかに劣化している。これは、両党とも中身に実質的な差がないにもかかわらず無理に独自性を出そうとするあまり、相手の主張に柔軟に対応することができないからだ。
政治改革で我々が手に入れたものは、結局のところ、実質的に差異がない2大政党の不毛な体面争いでしかない。そして、有権者の選択の自由も失われた。どちらを選んでも変わらないのでは、選択をすることにならないからだ。
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