伊丹がじゃまと橋下知事
利便性が高い伊丹に客が流れ、関空発展のじゃまになるとの橋下発言。今の大阪の経済中心である北浜-梅田-新大阪からは、新幹線や伊丹の方が便利なのは関空建設当初からわかっていたこと。
大阪経済の中心が北に移ったのは、新幹線と飛行機のどちらでも利用しやすいからだ。それを無視して伊丹を閉鎖すれば、大阪から逃げ出す大企業はますます増加するだろう。成田の不便さ故に、外国企業が日本から逃げ出したため、利便性が高い羽田の国際線復活を急いでいるのを見れば、大阪が何をすべきかは明らかだ。
伊丹の国際線復活と関空の国内線増加を平行して行い、さらに両空港を有機的に連結して利便性を高める、それこそが大阪の経済中心としての価値を高めることになる。そのためには関空の公営化による利用料の引き下げ、航空会社に対する報奨金の支払いなどが必要だ。当初はばかげて見えるが、利用が増えれば十分引き合うはずだ。
利用者の利便性を悪くして関空の利用を強制しようとするのは本末転倒。飛行機の利用を認められているビジネス客が、電車で一時間の関空を選ぶか、タクシーで30分の伊丹を選ぶかは分かり切ったことだ。にもかかわらず関空を押しつけようとしたのは、まさに御上が決めれば民が従うという時代の産物だ。こんな官僚的発想にこだわっている限り、さらなる大阪の地盤沈下を招くだけだ。
いっそのこと、上海にならって関空から大阪北までリニアモーターカー路線を敷くぐらいの荒療治が必要だ。それよりも、伊丹はビジネス客、関空は貨物とレジャー客と割り切ってそれぞれの利便性を高める方がよいかもしれない。
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