国際化・効率化・投機経済からの脱却を
前世紀の末から、日本は国際化や効率化を旗印に多くのものを切り捨ててきた。それは、国内の投機市場に外国からの資金を呼び込み、株式や債券の相場を引き上げ、高く維持するためだった。そしてそこでは、1次・2次産業の活性度という国力の基盤は政策的に軽視され、それに従事する者達の社会的地位も低いと見なされた。それは、相場で稼ぐことが効率的で最高のビジネスという思想と対になるものだった。このためそれらの産業、特に1次産業は甚だしく衰退し、それが現在の混乱の原因になっている。
国家の安全保障に関しては、1次・2次産業が重要であり、それらを軽視することは国の安全を軽視することだ。以前にも書いたことがあるが、米国の戦略は食料などの1次産品を米国に依存させ、その輸出を止めると脅すことで他国を従属させようとするものだ。日本がとってきた政策はまさに米国の意に添うものだったといえる。そしてその結果が今の資源危機だ。
米国の意に添うため、日本は農業、林業を衰退させ、各種鉱山を閉山に追い込み、天然ガスなどの新たな資源の開発を遅らせてきた。それこそが現在の資源危機の元凶だ。今やその政策を大転換しなければならない。投機経済から資金を吸い上げ、国家安全保障を支える産業を助成する。そうしなければ、この危機は深まるばかりだろう。
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