団塊の世代から一言
TV番組の中で団塊の世代について触れていた。
その中で団塊の世代は、「団塊」と呼ばれることを嫌うと言っていた。これは当然でもあり、少しピントが外れたとらえ方でもある。
確かに、我々の世代は生まれてこの方「ベビーブーマー」、あるいは「団塊の世代」などと言われ続けてきたので、この言葉には飽き飽きしている。しかし、それ以上に我々の世代が嫌うのは一括りにして扱われることだ。
戦前の均一で従順な兵士を作ろうとする教育への反省から、我々は個々の人格の差異を尊重し、人に追随することなく自分自身で判断するよう教えられた。これは他人と同じであることを避けたがる我々の性向の原点だ。我々は他人と同じでいるとむしろ不安になる。
また、人はそれぞれ価値観が異なっているのだから、理解し合うためには納得できるまで徹底して話し合わなければならないことも教えられた。だから我々は意見を押しつけることを嫌い、他人の意見を聴き、また自分の意見を説明する。その結果、たとえ両者の意見が一致しないとしても、互いに相手の意見を理解できたことで満足する。
これが我々の世代が踊らぬ世代と言われたり、乗せにくい世代などと言われる理由だ。また、個々の人間の価値観が異なることを認め合い、他人に同調を強要しようとしない理由だ。
我々は自分を語り、相手の語ることを聞き、自分自身で判断する。そして何よりも、同じであれと強制されることを嫌う。
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