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July 26, 2004

原子力発電と燃料電池

最近、燃料電池の実用化が近づいたので原子力発電と使用済み核燃料の処理を廃止する方向で話し合おうという動きがあるようです。 しかし、燃料電池と言ってもアルコールを燃料とするものと、水素ガスを燃料とするものとの二つがあり、前者は発電時に二酸化炭素を放出するので温暖化ガスの削減にはつながりません。 二酸化炭素の放出に関しては、直接アルコールを内燃機関の燃料に使用するのと大差がないのです。 また、燃料向けのアルコールの生産は、穀物や芋類の澱粉から行わなければならないので食料生産と競合します。 今後の世界人口増加に伴い食糧の増産が必須である事と考え合わせると、耕作地増加による森林破壊を加速することにつながるのでこれは深刻な問題になるでしょう。

一方、後者は現状では水素ガスの大量生産を水の電気分解に頼らざるを得ません。 原子力発電の電力を置き換えるだけの水素ガスを生産しようと思うと、現時点では大量の火力発電所を建設しなければならないというジレンマがあるのです。 また、電気分解によって得た水素ガスを使って燃料電池を運転するのではエネルギーの差し引きは赤字になります。

太陽エネルギーの利用も総輻射エネルギーが1KW/m2と言う上限がある以上、どのような方法に依るにしても必要な電力を得るのに広大な敷地を必要とします。 環境省などの試算に依れば、太陽電池の効率を10%と仮定すると岩手、秋田および福島の三県の総面積に相当する面積が必要なのだそうです。 これだけの面積を発電設備で埋め尽くせば途方もない環境破壊が起こります。 仮に効率が20%まで向上するとしても、全ての建築物の屋根を太陽電池で埋め尽くしてもまだまだとても足りません。 従って、温暖化ガスの抑制に関する限り、核融合発電が実用化されるまでは原子力発電に頼らざるを得ないのが実情なのです。
エネルギー消費密度が低い過疎地の小集落については、太陽光発電や風力発電は良い解決策だと思いますが、大都市の高密度の消費をまかなえるほどそれらの施設を建設すれば、それ自体が大規模な環境破壊を引き起こします。 電力を大量に高密度で消費する、大都市と大工業地帯がある限りこの状態は変わらないでしょう。 

また、核燃料の再処理の問題も私は再処理を行うべきだと考えています。 それは、危険なプルトニウムなどを次の世代に残さずMOX燃料などで使用することにより消滅させてしまうべきだと思うからです。 低放射性廃棄物と、高放射性の使用済み燃料では次の世代に与える影響が全く違います。 これは単に経済性だけで議論すべき問題ではありません。 我々の世代の責任として、危険性の高い使用済み核燃料はそのまま次の世代に残すべきではないと考えるのです。

2004/07/25 馬納戸昇(UMANANDO NOBORU)

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