変なアイディア(またはトンデモ科学その1)
最近出版された、ハヤカワ文庫NF[NF291] <数理を楽しむ>シリーズ 「物理学者はマルがお好き」 牛を球とみなして始める、物理学的発想法 ローレンス・M・クラウス著 青木薫訳(早川書房刊)を読んでいて変なアイディアに取り憑かれてしまった。
1.音だけを感じる人(コウモリでもいい)は3×10^2(これは3掛ける10の2乗と読んでください)m/秒の速度(これは空気中を伝わる音の速度)で世界を観測できる。
2.潜水艦長やイルカはもう少し速い1×10^3m/秒の速度(これは水中を伝わる音の速度)で世界を観測できる。
ここまでは、事実ですがここから先は上記の書物の著者が言うところの「トンデモ科学」になりますので、冗談半分に読んでください。
3.エホバの神(あるいはアラーの神でもよい)とその信者は3×10^8m/秒の速度(これは光の速度)で世界を観測できる。
4.インドラ神(弥勒菩薩でもかまいはしないが)とその信者たちは1×10^32m/秒(古代のインド人が考えた世界はこれでも納まりりきらないぐらい大きい)の速度で世界を観測できる。
とすると、それぞれにとって世界はどのように見えるのだろうか? 例えば頭上を超音速ジェット機が通り過ぎたらどの様に観測され(見え)るのだろうか?
こんなことを思いついたのは、「一般相対性理論」が扱っている世界はあくまで人類が直接に観測できる「力(相互作用)」が「電磁気力」しかない事に基づいているのではないかと考えたためだ。 物理学の実験で起こるいろいろな現象は電磁気力でしか観測できないのだから(どんなセンサーも電磁気で動く! 人間の目ですらも)。
上記の書物で「トンデモ科学者」と呼ばれている人種の一人であると自認している私にとっては、こんな事を考えるのは大好きな暇つぶしなのです。
2004/06/05 馬納戸昇(UMANANDO NOBORU)
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